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Author : 城 繁幸 | Manufacturer : 筑摩書房 | ReleaseDate : 2008/03 | CustomerReview : 混迷の時代に「働く」ということを真剣に考えた取材・考察の書 - 「年功序列と終身雇用は今後崩壊する」と言われて、もうずいぶん時間がたつ。だが、それらの制度は頑強で、かなりほころびが現れているにもかかわらず、多くの日本企業の土台を支えているように思える。
かつて多くの評論家や学者が年功序列・終身雇用の崩壊を予想したのは、「能力主義に移行していかないと日本企業自体がもたない」と考えたからである。バブル期から日本は大胆な開放政策をとり、「経済」が「政治」を飲み込んでいく時代になって市場のボーダレス化が現実化するのに反して、日本企業の体質は根本的にはさほど変化しなかった。
考えてみれば、企業を動かしている経営陣や管理職は年功序列・終身雇用の恩恵を受けてきた世代であり、企業内で荒波をかぶることが少ない彼ら自身に変化を求めるのは無理なのかもしれない。著者が「昭和的価値」と名付ける価値観が相変わらず日本企業を支配しているのは、結局は、年功序列によって出世した者が企業を支配しているからにほかならない。
その弊害が、まさに若年層の収入の低下やフリーターの増加として表れている。本書では優秀な若手ほど日本企業に絶望し、これまでの枠組みにしばられない生き方を試みようとしている現実が描かれている。本書を読むと、これからは、「どの会社に入るか」ではなく、「自分にどれくらいの市場価値があるか」が大切になってくることがわかる。
本書から読むと、年長者に若者の「わがまま」と見えるものが、実は古い価値と新しい価値とのぶつかり合いであることがわかる。企業関係者は、本書を読んで、自分がいかに既得権益に守られてきて、そのために若者がいかに割を食っているかを知るべきである。企業が生き残っていくために、本当にこのままでいいのか、考える契機になるだろう。「トヨタ」を年功序列や終身雇用の正当化に使うのはもう止めるべきだ。著者の益々の活躍を期待する。
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