Wi-Fiを使うと他人に閲覧履歴を見られてしまう?

Wi-Fiが登場して以降、Wi-Fiはインターネットを使用するにあたって本当に便利なもののひとつであり続けています。ルーターの隣に座る必要もなく、どこにでもあり、また、ポータブル機器に接続することもできます。でも、誰でもインターネットを使っているときに考えたことがあるはずです。Wi-Fiに接続したときの閲覧履歴を第三者に見られてしまうことはあるのだろうか、と。

残念ながら、その答えはイエスです。Wi-Fiが自分のものだろうと他人のものだろうと、閲覧履歴は見られてしまいます。かといって、それほど単純なことでもありません。

プロバイダによる閲覧履歴情報の収集

インターネットプロバイダは、Wi-Fiの使用の有無にかかわらず、インターネット上の動きを把握することができます。プロバイダが閲覧可能なものには以下のようなものがあります。

  • インターネットに接続した正確な時間
  • インターネットに接続している総時間数
  • 特定のウェブサイトの閲覧時間
  • オンラインで検索、閲覧したURL、または特定のサイトで検索、閲覧したURL
  • 送信元IPアドレスと宛先IPアドレス
  • 暗号化されていないHTTPウェブサイトのデータ

このことからわかるように、Wi-Fiプロバイダは閲覧履歴を把握することができます。スマートフォンでWi-Fiを使用している際も同様ですが、この場合は閲覧履歴のほかにどのアプリを使用したことがあるかといった履歴情報も収集しています。

Wi-Fi管理者は利用者の閲覧履歴を見ることができるのか

こちらに関しても、答えはイエスです。他人のWi-Fiを経由してHTTPSウェブサイトを閲覧している場合は、Wi-Fi管理者は利用者がどのウェブサイトを検索し閲覧しているかを確認することはできますが、閲覧した具体的なコンテンツまでは確認できません。例えば、あなたがWi-FiでGmailをチェックした場合、管理者ははあなたがGmailのウェブサイトにアクセスしたことは確認できますが、Eメールの内容やアカウント情報までは確認できません。

一方で、HTTPサイトに関しては、これらのサイトが暗号化されていないため、話が少し違ってきます。つまり、Wi-Fi管理者はWi-Fi利用者が閲覧したウェブサイトとコンテンツの両方を確認することができるのです。もっとも、実際にそれらを確認するには、利用者のデータパケットを再構築するために、Wiresharkのようなパケットスニファーが必要となります。

さらに、職場や学校のWi-Fiを使用している場合で、Wi-Fi管理者がIDS(侵入検知システム)を使用している場合には、IT担当者がSSLを解除すればWi-Fi利用者の閲覧履歴を確認することができてしまいます。この他にも、オンラインの間に、Wi-Fi利用者が閲覧したIPアドレスの全てのログデータを記録するルーターも存在します。つまり、Wi-Fi管理者はあなたが閲覧したウェブサイトの履歴を簡単に確認することができるのです。

シークレットモードを使えば閲覧履歴を見られない?

全く関係ありません。シークレットモードは、機器を共有する人がいる場合に、その第三者に閲覧履歴を見られないようにする機能であり、オンライントラフィックを隠すものではありません。つまり、Wi-Fiの管理者、プロバイダ、またハッカーまでもが、利用者のトラフィックを確認することができるのです。

閲覧履歴を隠すための安全対策は、Wi-Fiを利用する際にVPNを使用してIPアドレスを変更することです。

ここまで説明してきたように、Wi-Fiを使用すると第三者に閲覧内容を知られてしまうのではないかと不安に思っているなら、あなたの不安は的中しています。もし第三者のWi-Fiを使って閲覧している内容を人に知られたくないなら、VPNを使うようにしましょう。